杯身は口径8.6㎝、高さ2.9㎝、受部径10.8㎝で、口縁の端に数ヶ所欠けがあるだけでほぼ完形です。また口縁の端に1ヶ所生乾きの時に棒状の工具が当たったと思われる凹みがあります。底部の外面は左回転のヘラケズリの後、回転ナデ、静止ナデで丁寧にヘラケズリを消していますが、杯蓋以上に丁寧に消しています。その後で製作工人を識別するための印と考えられるヘラ描きの線を1条刻むことも同じです。内面は回転ナデの後、底部の内面のみを静止ナデをしています。底部の外面に粘土の小片が付着していますが、全体に丸味があります。受部の立ち上がりは低く、わずかに口縁の端部の高さを超える程度です。焼き上がりは非常に良好で、底部外面には藁をはさんで焼いた痕跡である火襷が見られます。時期は6世紀末から7世紀初頭です。
【古代の神戸】