高橋禎彦 1958-
ARC
ガラス、宙吹き、鋳造、接着
H.50, W.50, D.50cm 1993年
TAKAHASHI Yoshihiko
Arc
glass / blowing, casting, glueing
工芸やプ□ダクト・デザインでは、まず下絵を描き、最終的に何を作りたいかを考えてから制作にとりかかるのが一般的である。種類の異なる素材を併用し、複雑な模様を施す場合などはとくに計画性が必要とされる。しかし、ガラス作家・高橋禎彦の制作においてはこの原則は必ずしも当てはまらない。彼はある程度の計画性のなかに、十分な空白を残しておき、そこで起こった出来事を表現に結び付けようと制作をしてきた。予定調和がない高橋のガラスによる表現の振幅は、それゆえ深く多彩である。
<ARC>は、宙吹きされた上部と鋳造による下部の2つの部分からできている。上部は、宙吹き後表面に色ガラスを被せ、カットして文様を出すいわゆる切子の技法を用いている。また、光学ガラスは鋳造すると失透で白色になることが発見された。こうして上部を支える鋳造部を得た。さらにサンドブラストによってテクスチャーを複雑にしている。宙吹きによる器型と重量感のある鋳造部の組合せも、制作のなかで生まれてきた発想だった。空白で引き出された出来事がこの作品を隅々まで豊かに満たしている。
1958年 東京都に生まれる
1980年 多摩美術大学立体科プ□ダクトデザイン専修クラフトデザインコース卒業
1980-84年 グラスハウス・アム・ヴァサートゥルム工房で制作(ドイツ、ラインバッハ)
1985年 神奈川県津久井にアトリエ設立
1995年- 多摩美術大学非常勤講師