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星五位
Spotted night herons
1958(昭和33)年
紙本彩色、額 192.3×128.5cm
co1or on paper, framed
第22回新制作協会展
松篁が5、6歳ごろに飼っていた文鳥が楓の緑の若葉にとまった時の「赤い嘴と足、黒い頭と尾、浅黄鼠の背、鼠から白にぼかされた腹」の配色に魅せられた鳥への愛情と、深められた自然観察、写実を追ってのりこえた象徴性と画面空問のとりかたに対して、一つの画境を開いた時点での作品が、この〈星五位〉である。
〈星五位〉は写生を基礎にした上で、作者が造形した世界であり、5羽の五位鷺のうち4羽は静止し、手前の1羽が鋭い動きを見せている。暑い日ざしを避けるため、鳥小屋に陰をつくってやろうと、五位鷺の若烏たちのために、ありあわせの緑のビニールを掛けた。その緑に統一された鳥の一群は、美しい色調のバランスを感じさせ、青葉の陰の水辺を思わせる空間に位置していた。この空間は作者の内部で凝縮された全宇宙を象徴しているかのようである。作者は、静寂の中にある生物の静と動の対比に、夏の日の生の実感を、息づまるほどの感動でとらえたのであろう。作者はそれゆえに、簡潔な造形として、若鳥たちを把握し、自然の奥行きを反映したポーズと点のように存在する実体に迫ることができた。羽毛の色調の美しさ、水面の微妙な光の照り返し、片脚で立つ細心さと、嘴に表された方向線、あげた片脚の動きと静止、すべてが計算された構図であり、作者の哲学的背景もかいま見せてくれる絵である。