母子像

絵画 油彩画

  • 麻生三郎  (1913-2000)
  • アソウ、サブロウ
  • 昭和34年 / 1959
  • 油彩・キャンバス・額・1面
  • 90.0×71.5
  • 左下に署名、年記
  • 23回自由美術展 東京都美術館 1959

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母子像
Mother and Child
1959年
油彩・麻布 90.0×71.5cm
麻生三郎の絵には、丹念に塗り重ねられた画面の、深く晦渋(かいじゅう)な色層の奥から、存在の真実をつかもうとする執念の眼が感じられる。微妙な諧調をもつマティエールの中で、形態と空間が溶けこむかに見える画面だが、画家の内面がとらえた確かな実在感がにじんでいる。そのモティーフは、作者をとりまく東京の街であり、自身の家族や生活周辺を見つめた自己の内部世界である。この《母子像》は、灰緑色をバックに、大きく見開いた目で正面を見すえている母子の姿が、グレーで塗りこめられている。バックは亀裂の走る壁のようだが、壁の物質というより母子を包むリアルな空間である。その母子は、混沌とした色面の中にあるように見えるが、現実生活から掘り起こされた明確なイメージで、滋味をおびたしなやかなかたちとなって浮かび出ている。麻生三郎の作品は、写実性を根底にして、事物や人間を見る自分自身を再び見つめ、その内部の目で探り出した造形思考を画面の上に押し進めるという営みの表現である。想像の中で形象を追求することをしない強靱なリアリズムである。

母子像

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