茶のボール紙製の表表紙に「昭和七年十一月 切抜帳」と書かれている。直線だけで構成された文字は当時流行していたモダニズム風のもの。昭和8年(1933)5月5日付JAPAN TIMESに掲載された5月新橋演舞場公演の劇評が切り抜かれ、柏木泉蝶の手によるその翻訳がその横に貼られている。興味深いのは観客からの手紙を貼り付けていること。『東京日日新聞』に掲載された昭和16年(1941)5月新橋演舞場公演についての三宅周太郎の劇評に反論する内容で、五郎が新聞劇評に一喜一憂していること、一観客の感想に力づけられることもあることがよくわかる。