清水卯一 1926-
青磁大鉢(せいじおおばち)
陶器
H15.5 D42.0cm 1973年
SHIMIZU Uichi
Large bowl, celadon
stoneware
人間国宝の認定は「鉄釉陶器」の技術によるものだが、清水卯一は土や釉薬、轆轤技術の研究に熱心で、実に多様な作品を制作している。本作品は「第20回日本伝統工芸展」で「20周年特別賞」を受賞した、彼の代表作の一つである。1970年に五条坂から滋賀県琵琶湖西岸に位置する蓬莱山麓に移り、築いた蓬莱窯初期の作品であり、蓬莱地区よりも西北にあたる高島という地域で採取した陶土が用いられた。青磁--あるいは青瓷とも称される鉢の青い釉面に、氷の結晶のような貫入が層をなすように無数に入っている。貫入とは、素地と釉薬の収縮率が異なるために窯から出して冷える際に生じるひび割れのことで、古くから陶磁器の見どころの一つとされてきた。これほどまでの貫入は作家の意図していた範疇を超えたものであり、窯出しから三日ほどたった時に今まで見たこともない貫入が斜めに入っているのをみて驚いた、と本人は語る。その意図したものとは異なる作品が仕上がった時の心境を清水は「これだからやめられない」と表したそうだが、この言葉から緻密な研究と試験を重んじる一方で、予期せぬ結果を生む素材と技法とを使った制作に魅了されている作家の様子を感じることができる。
1926年 京都五条坂生まれ
1940年 作陶を志し京都の陶芸家・石黒宗麿(むねまろ)に師事
1947年 「四耕会」結成(1949年脱会)
1955年 日本工芸会設立当時から「日本伝統工芸展」に出品
1985年 「鉄釉陶器」の技術により国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定