羽衣天女〈本多錦吉郎筆 明治二十三年/油絵 麻布〉 はごろもてんにょ〈ほんだきんきちろうひつ めいじにじゅうさんねん/あぶらえ まふ〉

絵画 / 明治

  • 本多錦吉郎
  • 明治時代 / 1890
  • 油絵 麻布 額装
  • 縦127.2センチ 横89.8センチ
  • 1面
  • 重文指定年月日:20240827
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 兵庫県
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 本多錦吉郎は嘉永3年12月(1851年1月)に生まれた早期の洋画家で、明治初の渡欧画家である国沢新九郎に学び、画塾彰技堂を継承した。技法書の翻訳に努めるなど、大正10年(1921)に没するまで油画の発展に尽力し尊敬を集めた功労者である。本作は羽衣伝説を題材に、富士山を背に昇天する天女を描くもので、第3回内国勧業博覧会に出品され褒状を受けた。「世人が油絵を談ずるや先以て本多氏の羽衣天女を語る」(『洋画先覚本多錦吉郎』)と評されるなど、明治時代の油絵を代表するものとして知られた。
 本多の訳書は、中村不折が「本多先生の訳書に拠る外はなかつた」(『日本美術界』2-3)、三宅克己が「私共美術学生の虎の巻とも云ふ可き貴重なものであつた」、「暗誦できる程読み耽つた」(『洋画先覚本多錦吉郎』)などと評するように、油画の普及に果たした役割の大きさが伝えられる。本作はその技法を知るうえで貴重であるばかりでなく、西洋絵画を日本の題材に翻案した趣意の作として話題となり、画題論争に至ったことでも知られる。時代を代表する絵画として学術的に重視されてきた本多の代表作である。

羽衣天女〈本多錦吉郎筆 明治二十三年/油絵 麻布〉

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