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野見山暁治(1920−)
NOMIYAMA,GyoJl
ある証言
A Testimony
1992年
油彩・キャンバス
130.0×324.Ocm
東京国立近代美術館
1920年,福岡県に生まれる。東京美術学校に学ぶ。52−64年渡仏。58年安井賞受賞。自然や人物を主題にしながらも,彼の作品は常に絵具という物質そのもののなまめかしさを主張する。この作品も,彼の九州にあるアトリエの海に向かったバルコニーに置かれていた壷が,ある台風の日に強風にあおられて砕け散ったのを目撃して着想したというが,画面はそうした現象の単なる再現を大きく踏み越えている。地平線で天地に分割された画面の中央に,磁場を形成するかのように渦巻く物体。そこから四方へ飛び散る筆致は,ダイナミックなイメージであると同時に絵具としての存在を主張する。そのせめぎあいが,この作品に緊張感をもたらしているのである。(S.0.)