釉下彩とは、絵付け等の装飾の上に透過性の高い釉薬を施釉(せゆう)し焼成する陶芸技法である。
中国では、宋時代の磁州窯(じしゅうよう)や、元時代の景徳鎮窯(けいとくちんよう)において、陶器や磁器に鉄(てつ)や呉須(ごす)、銅(どう)を用いて文様を描く釉下彩の鉄絵(てつえ)や青花(せいか)、釉裏紅(ゆうりこう)が製作される。
我が国において、釉下彩の製作が開始されるのは、安土桃山時代の美濃や唐津の陶器であり、江戸時代初期には、有田において磁器に呉須で文様を描く染付(そめつけ)が展開していく。明治時代になると、洋絵具の導入により、釉下の顔料の色数は増加し、ドイツ人化学者でお雇い外国人の、ゴットフリート・ワグネルによって陶器の色彩豊かな釉下彩が開発される。その後、陶芸家の初代宮川香山(みやがわこうざん)、板谷波山(いたやはざん)等によって磁器の釉下彩の研究や、表現の追求が行われ、優れた制作活動を行う作家が輩出している。
今日の釉下彩は、伝統的な技術を基に、釉薬の調合による色や透過性の調子、その下に施される装飾に工夫が凝らされ、高度な芸術的表現を可能にする陶芸技法として高く評価されるものである。