氷見晃堂 1906-1975
唐松砂磨茶箱(からまつすなみがきちゃばこ)
木(唐松)/指物
H.13.0, W.14.5, D.21.5cm 1964年
HIMI Kodo
Box for tea utensils, sand-polished, Japanese larch
wood (Japanese larch) / joining
氷見晃堂は、1970年に木工芸で初の重要無形文化財保持者(人間国宝)認定を受けた、金沢の伝統的な指物を継承する作家であった。素材の特質や自然美を理知的な感覚でとり入れて作風とし、独創の砂磨きの技法や金銀線象嵌、木画などの装飾技法を自在に揮った制作に気品のある造形の妙を表した。
この唐松材による作品は、いっさいの加飾によらず、流れるような自然の木目が砂磨きの技法で際立たせられ、拭漆によって仕上げられている。砂磨きとは、江戸時代頃まで盛んに用いられた木工技法で、氷見が独自に復活させたものである。砂で磨くことで年輪の硬軟により木目が浮き立たせられ、自然の雅味が表れる。作家が常に訴えていたという材質のもつ自然の美しさと力強さとが簡明な表現のなかで相乗され、簡潔な造形のなかに個性豊かな精神性がたたえられている。第11回日本伝統工芸展出品作。
1906年 石川県金沢市生まれ
1921年 北島伊三郎、後に初代池田作美に師事する
1946年 第2回日展初入選、1953年第9回展北斗賞受賞
1955年 第2回日本伝統工芸展初入選、以来出品と受賞を重ね、1973年第20回展記念特別賞受賞
1970年 重要無形文化財「木工芸」保持者に認定される