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まり千代像
Portrait of Marichiyo
1954年
紙本彩色
170.0×123.5cm
左下に落款:明治、朱文方印:明
1954年 第10回日展
正面向きのソファーに扇子を手にした芸妓が坐っている《赤い椅子》は、一般に橋本明治独特の近代感覚あふれる新美人画様式の確立された作品として評価されている。その様式とは、対象を大胆に単純な色面に分割し、それを一種メカニックな強い輪郭線を用いて明快な装飾的な画面に構成するものである。《赤い椅子》から3年後の、この《まり千代像》では、こうした抽象的かつ装飾的性格がかえってモデルとなった人物の個性を表わすのにうまく生かされているように見える。作者の苦心のあったところであろう。まり千代は、新橋の名妓で東踊(あづまおどり)の指導的立場にあった人である。