生野祥雲斎 1904-1974
白竹一重切華入 くいな笛(しろたけ いちじゅうぎり はないれ くいなぶえ)
竹
H43.7, W7.2, D6.7cm 1967年
SHONO Shounsai
Vase, "Kuina-bue (pipe for luring waterrail)"
bamboo
竹花入は茶人が創作したものであり、千利休をはじめとした茶人によって作られた竹花入が現代にまで伝わっている。竹を切っただけの円筒形のものや、一つか二つ窓を切っただけの単純なものがほとんどだが、単純であるだけにかえって制作者の美意識をうかがうことができるものといえるだろう。
生野祥雲斎(しょうのしょううんさい)は「竹工芸」の分野で、日本で最初に人間国宝に認定された工芸家である。祥雲斎はさまざまな技法を身につけ、古典的な作風にとどまることなく、竹の表現の探求を続けた工芸家だが、祥雲斎がその晩年に行き着いたのは、シンプルな筒型の花入の仕事だった。
《白竹一重切華入 くいな笛》は、材料である竹の素地の美しさと、能面「小悪尉(こあくじょう)」の口に着想を得たという、丸みを帯びた窓の形が印象的な竹花入である。古美術品の鑑賞力に磨きをかけることに人一倍努力していた祥雲斎の到達点を示す、竹の素材の美しさを生かした作品といえるだろう。
1904年 大分県別府市生まれ。
1938年 大分県工業試験場別府工芸指導所に勤務。
1940年 文展に代わる紀元二千六百年奉祝美術展に入選。
1959年 日展会員となる。
1967年 重要無形文化財「竹芸」保持者に認定。