121 森芳雄(1908−1997) 肱をつく女 1936年
東京生まれ。一九三〇年協会研究所で中山巍に学ぶ。1929年第4回一九三〇年協会展に初入選。31年第1回独立美術協会展入選。31−34年渡仏。36年第6回独立展でD賞受賞。37年独立美術協会会友となるが、39年に退会し自由美術家協会会員となる。64年同会を退会し主体美術協会を結成。また51年より武蔵野美術学校(のち大学)で教え57年教授。
森は渡欧時に、ヨーロッパの新しい美術の動向ばかりでなく、イタリアの初期ルネサンスのフレスコ画に強くひかれたという。古い伝統を、新しい造形の中にいかに活かしていくか、という問題意識の中から、彼は同時代のイタリアの画家たちの作品も参考にしつつ、質実な画風を確立していった。《肱をつく女》は比較的小ぶりの作品であるが、制作には半年から1年かかったという。主題としては古典古代への憧憬を表しながら、形態や色彩を切り詰め、近代的な造形感覚を併せ持った作品である。