136 鳥海青児(1902−1972) 畑 1953年
神奈川県生まれ。本名正夫。関西大学経済学部在学中の1924年、第2回春陽会展に初入選し、28年、29年に連続して春陽会賞受賞。30−33年渡欧。33年春陽会会員。43年春陽会を退会し独立美術協会会員。56年芸術選奨文部大臣賞受賞。58年第3回現代日本美術展最優秀賞受賞。59年第10回毎日美術賞受賞。
鳥海は渡欧中、ゴヤやレンブラントに感銘を受けたが、帰国後は油絵の物質的特性を活かしながら日本の風土をいかに表現するかという問題に取り組んだ。この作品で画面を埋め尽くすように描かれた畑は、矩形の集合として単純化されている。しかし矩形の境界には微妙な変化がつけられており、見る者を飽きさせない。矩形による構成、抑制された色彩、砂を混ぜた強靭な画肌が一体となって、作品を堅固なものにしている。描かれているのは畑なのだが、際立つのは絵画そのものの物質的な存在感である。