金銅雲龍文簪
こんどううんりゅうもんかんざし
概要
金銅雲龍文簪
こんどううんりゅうもんかんざし
沖縄県
第二尚氏
金銅、鍍金。カブと呼ばれる頭部と底板、茎からなる。カブは、薄手の銅板を鍛造によりやや平たい半球形に成形した後、鏨で文様を刻む。頂部には太陽を表すという渦巻き文を刻む。カブの肩から側面にかけて、玉を取る二頭の龍が巡る様を大きく高肉に表し、その周囲には雲文と波文を埋め尽くす様に配する。底板を嵌め、同じく二頭の龍を線刻し、中央に設けた穴に茎を差し込んでいる。茎は根元から、頸、ムディ、竿の各部に細分される。頸には鋸歯文と三点の魚々子を刻み、ムディは螺旋状にねじり、竿には列点唐草文を刻む。カブ、底板、茎のそれぞれに、「天」の字を象形化した印を刻んでいる。
長27.0 カブ径10.8
1本
那覇市おもろまち3ー1-1
重文指定年月日:20240827
国宝指定年月日:
登録年月日:
沖縄県
国宝・重要文化財(美術品)
琉球では男女ともに簪を用い、本簪と副簪があり、本作品は本簪にあたる。琉球諸島各地には、現在、一五点ほどの神女簪が伝わっている。本簪は他の神女簪より二回りほど大きく、作行も優れ、文様表現に写し崩れなどが見られない。製作年代は、形式編年の中で最も古い一群に属する。「天」の字を象形化した印は、王家伝来の刀剣拵【こしらえ】や漆器などにも見られるもので、いずれも一六~一七世紀の作風を示している。また、茎に表された列点唐草は、日本の桃山時代に盛行する文様であることから、本品の製作年代もその頃と判断される。他の神女簪の意匠がほとんど牡丹文である中で、本簪のみ龍文を表していることからも、聞得大君所用の品である可能性が極めて高い。
薄い銅板を用いて重量をおさえながらも、高肉に文様を打出すという高い技術、明瞭で躍動感のある龍文の表現など、琉球の金工品の中でも特に優れた重要な作品である。
なお本品は、琉球処分以来、尚家の住まいであった中城御殿内の金庫に保管されていたところ、太平洋戦争時に戦火に見舞われ行方不明となっていたが、一九五三年五月にアメリカから当時の琉球政府に返還された。
文化庁 〒602-8959 京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4 メール:online@mext.go.jp
(C) The Agency for Cultural Affairs