仏説無希望経残巻
ぶっせつむきぼうきょうざんかん
概要
藍で染めた紺紙は、七宝の一つである瑠璃を示し、そしてそれは、仏国土の色を表すという。そこに金銀で写経をすることで、仏の教えを飾り立てようとした。このような意図で生み出された装飾経は数多くあるが、金銀泥を一行ずつ交互に使用した金銀交書経の遺例は少なく貴重である。
金銀交書の書写の際は、金字または銀字を一度に書写した後、もう一方を書写する。また、書写した後に、猪牙などを使用して字を磨き、つや出しの処理を施している。このように手の込んだものを発願できるのは、膨大な財力と権勢を有するものに限られ、当時の貴族の力が推知される。
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