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京都府・京都市東山区

国指定文化財(重要文化財)琵琶湖疏水施設 蹴上発電所旧本館京都府京都市左京区粟田口鳥居町

琵琶湖疏水施設 蹴上発電所旧本館

琵琶湖の湖水を京都へ疏通する長大な運河とその関連施設。東海道とほぼ並行する第一疏水、南禅寺境内を横切り北上する疏水分線は、農商務省及び京都府が立案した計画に内務省土木局が手を加え、工事は田邉朔郎と島田道生を中心に明治23年に竣工。鴨川運河は同27年の開通。第一疏水を補う第二疏水は同45年の完成。舟運、灌漑、防火、発電、水道等の都市近代化に係る多岐にわたる機能を集約した大規模な施設。特に新技術を積極的に導入し、建設当時我が国最長規模を誇った第一隧道は、近代トンネルの規範的存在。明治維新後に衰頽した京都の再興を支えた、京都の近代化を象徴する都市基盤施設。

国指定文化財(重要文化財)旧村井家別邸(長楽館)京都府京都市東山区四条通大和大路東入衹園町南側507番地1

旧村井家別邸(長楽館)

煙草の製造・販売により財をなした実業家村井吉兵衛が、京都の円山公園に隣接して営んだ別邸で、煉瓦造、三階建、地下一階の大規模な洋館。アメリカ人建築家J.M.ガーディナーの設計により明治42年に建築され、大正3年に三階を改修した。迎賓・接客施設としての機能的なプランニングや中2階などを用いた室高の調整が巧みで、階段まわりの空間演出は劇的である。ルネサンスやロココ、セセッションなど西洋の諸様式のほか、中国風意匠、書院造や茶室など、各室の性格に応じ使い分けた多様な内部意匠は極めて優秀。これら諸室を破綻なくまとめたガーディナーの卓越した技量を示す、華やかな洋風住宅建築。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))井口家住宅表門及び塀京都府京都市左京区岡崎円勝寺町91-47

井口家住宅表門及び塀

通りに北面する表門と敷地周囲を画す塀で鉄筋コンクリート造モルタル洗出仕上。表門は庇を水平に載せ軽快にみせる。塀は高さ3メートル、隣地境の西面は高さ5・5メートルとし、控壁を付す。洗練されたつくりの門と塀で大正末期の開発住宅地の景観を伝える。

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))小袖裂幡京都市東山区茶屋町527

小袖裂幡

本幡は、数種の絞染裂と織裂を寄せ集めて仕立てた幡である。主に三種類ある絞染裂はいずれも大柄で、(1)藤、桶、立波などの文様を絞染で表し、金銀摺箔、銀泥を施す練緯地の手の込んだもの、(2)楓の葉、切竹、大小の円文を染める紬地の素朴な印象のもの、(3)練緯地を筋状に紅白に染め分けた単純な染文様の紅筋である。織裂は主だったものとしては二種あり、(A)経糸を紅白の締切にした紅筋と白地の練緯、(B)紅白の格子を織り出した練緯である。三旒の幡の幡頭、幡身、製作されたことがわかる。
由来書によれば、この幡は和歌山の根来寺の僧侶により享禄元年から三年(一五二八~三〇)にかけて衣を綴り立てて作られ、幡を見る人に一切の罪業を取り除く光明真言の功徳があるようにとの願いが込められた。(幡二)幡頭縁には「十二/薬師」の墨書があり、これらの幡が薬師如来が衆生を救うために欲した十二大願にちなみ、十二旒で一具であった可能性が指摘されている。本三旒の他に同様の幡一旒と残闕数点の伝存が確認されている。
本幡に用いられる小袖裂は、室町時代の故実書等から知られる当時の小袖意匠と合致し、享禄三年以前に製作、着用されたものと考えられる。また絞染の遺例としてもこの時代までさかのぼる年紀をもつものはなく、最古例に位置付けられる。室町時代後期の染織品の意匠や製作技術、幡の製作年代、製作背景をうかがうことができる希少な遺例であり、当該期染織品の基準作となる重要な作品である。