安国寺経蔵

あんこくじきょうぞう

概要

安国寺経蔵

あんこくじきょうぞう

宗教建築 / 室町 / 中部

岐阜県

室町中期/1408

桁行一間、梁間一間、一重もこし付、入母屋造、こけら葺、八角輪蔵付

1棟

岐阜県高山市国府町西門前

重文指定年月日:19090405
国宝指定年月日:19630701

安国寺

国宝

安国寺経蔵 一棟

安国寺は高山市北方の国府にある臨済宗の寺で山麓にあり、経蔵は北側の小高いところに建つ。もとの名は少林寺と伝え、南禅寺第二世規庵祖円(一二六一-一三一三)の法詞、瑞岩禅師により開かれた。一方、足利尊氏と直義は夢窓疎石(一二七五-一三五一)の勧めにより元弘以来の天下大乱の戦死者を弔うために、各国に一寺を建立し、康永四年(一三四五)の光厳上皇により安国寺の寺号が定められた。当寺はその一つで飛騨国(長野県)の安国寺であり、文安二年(一四四五)に諸山となり、宝徳元年(一四四九)に十刹になった(『飛州志』)。経蔵は内部に回転式の書架である八角形の輪蔵を設け、その心柱の応永一五年(一四〇八)の銘文があり、建立年代が明確である。
外観は方一間の主屋に裳階をつけ入母屋造屋根をあげた禅宗様の堂だが、かなりの大きさをもち、当初は外回りに低い縁が付き、内部は裳階に床が設けられていた。外観は主屋の組物を詰組とせず、柱と束上だけに出組をあげ、軒を大疎垂木とするなど、禅宗様を簡略化しているが、木割は大きく、簡潔な構成とあいまって力強い。
内部は裳階を大疎垂木の化粧屋根裏、主屋上部を一面の鏡天井とし、中央の元版の蔵経をおさめた大形の八角輪蔵を設ける。輪蔵は禅宗様意匠になり、周囲を吹放し、詰組の二手先組物をあげ、上部を如意頭文で飾る。輪蔵としても古く、簡潔な意匠の経蔵本体とともに高い価値をもつ。

【引用文献】
『国宝大事典(五)建造物』(講談社 一九八五年)

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