大運河にて
だいうんがにて
概要
「猛然と赤い絵に取り掛かる。ヴェニスの赤のために私が滞欧作展のタイトルを「ヴェネチア」と名づけたのであるが、いつもこの面倒な赤はよけて、花や他の容易な作品に集中していたのである。ただし、もう何が何でも、ここ当分、赤のヴェネチアにかかりきる。」(1973年7月12日付日記『生誕100年記念 三岸節子展 永遠の花を求めて』)
ヴェネチアの街中を流れる逆S字型をした大運河(カナール・グランデ)を描いた本作は、滑らかな水面の乳白色と、土や砂を混ぜたざらっとした質感でやや抑えられた赤色の壁との対比が印象的な作品である。1974(昭和49)年にパリで開催された個展「花とヴェネチア」では、この赤色「ヴェネチアンレッド」の表現がテーマの一つであった。この個展は、異国の地にもかかわらず高く評価され、これをきっかけに節子は帰国を取りやめ、活動拠点をフランスに定めることとなる。
所蔵館のウェブサイトで見る
一宮市三岸節子記念美術館文化庁 〒602-8959 京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4
(C) The Agency for Cultural Affairs