紙本著色 飯縄権現像
しほんちゃくしょく いづなごんげんぞう
概要
紙本著色 飯縄権現像
しほんちゃくしょく いづなごんげんぞう
室町時代/1501~1600
三鈷杵をくわえ疾駆する白虎の背に迦楼羅炎を背負って立つ飯縄権現が描かれます。飯縄権現は青の肉身、一面二臂で、右手で剣を握り体側にまっすぐ立て、左手は顔面に上げて索を執ります。左足で白虎の背を踏み、右足を蹴り上げます。有翼で、頭部と頸には蛇が巻き付きます。上半身には条帛を纏い下半身には腰布と裳を着し、胸飾、臂釧、腕釧を付け、足首にも釧を着けます。頭髪は巻き毛で、顔は鼻と口が鳥の嘴のようにとがり、口元には上牙をのぞかせます。眉と口周りに毛を生やし、眼は金色の白目に目頭目尻が赤く、異形の姿です。白虎の尾先には宝珠が乗ります。
表装は軸首を失い、懸緒や裂地も弱っており、本紙に欠損や虫損も見られますが、図様の部分は良好に残ります。飯縄権現の青黒い肌に肥痩のある墨線で表した筋肉の盛り上がりや眼や剣の柄、装身具の金箔押しも明らかに確認できます。躍動感ある飯縄権現の姿を的確に捉え、彩色も洗練されており、中央の絵師の筆によるものと考えられます。掛け軸としては大きくなく、中央で制作されたものが、いずれかの時点で津久井にもたらされたものと考えられます。
縦82.6cm 横35.2cm
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有形文化財(美術工芸品)
所有者家系は長竹春日神社別当職として、別当寺である泉乗院(明治時代に執られた神仏分離政策に伴い廃寺)の住職を務めました。江戸時代後期編纂の『新編相模国風土記稿』には、京都聖護院に連なる本山派修験道道場として泉乗院の記載が見え、本絵画は飯縄権現像を求める信仰の場が津久井にあったことを端的に示す作例です。
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