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作品
Work
1962年
油彩・麻布
130.5×193.5cm
1962年 第5回現代日本美術展(出品時の題名は《分割140》)
オノサトの作品で東京国立近代美術館所蔵のものに戦前の《黒白の丸》(1940年)がある。黒と白2色の円と矩形の組み合わせからなる、日本ではあまり試みられなかった厳格な構成主義的作品であった。
1955年ころから、オノサトは円と垂直線および水平線からなる幾何学的構成の仕事を展開させるが、やがて画面には赤、青、黄など華やかな色彩が加わるようになった。この絵の場合、原色で彩られた方形と矩形が相称的に配置されたユニットによって全画面はアラベスク状に埋めつくされている。どの部分もまったく等価値であり、見る者の視点はどこにも定まりようがない。こうした無限の、一様な拡がりがある一方で、賦彩の差異によって中央に大きく浮かびでてくる円、つまり中心のイメージがある。画面の外にまで出ていこうとする「拡がり」と絶対的な「中心」―本来ならば共存しえないものが、ここでは重ねられており、これこそが見る者に精神的緊張を強い、オノサトの絵に曼陀羅にも比すべき精神性を与えているのである。