156 オノサト・トシノブ(小野里利信)(1912−1986) 作品100-B 1963年
長野県飯田市生まれ。1922年群馬県桐生市に移った。31年より津田青楓の洋画塾に学び、35年第22回二科展に初入選。37年自由美術家協会の創立に参加し、40年の《黒白の丸》に代表されるような構成主義的作品を発表した。53年タケミヤ画廊で戦後初の個展を開く。62年南画廊での個展のころから、幾何学的な構成に鮮やかな色彩が加わった。
一貫して円を描き続けたオノサトの絵画に変化が訪れたのは1960年頃のことであった。本作品では、鮮やかな色彩の矩形のユニットが、眩暈を引き起こすまでに規則的に広がった画面の中央に、色彩の差異によって大きな円がぼんやりと浮かび上がっている。それは、以前オノサトが地に対する図として明瞭に描いていた平面的な「円」とは異なり、むしろ無限に増殖するユニットの背後で、それらを統御する空間的な奥行きをもった「中心」として現出するのだ。