高知は福井、岐阜とならんで手漉和紙の三大産地の一つであるが、同時にその用具製作についても高度の技術が存在している。高知の用具製作は、材料の竹の栽培から始まり、竹や萱(かや)の簀のひごづくり、編糸づくり、金具打ち、漉き紗織り等を経て、簀編み、漉き桁づくり、あるいは刷毛づくりと完成するまでの工程に一貫して技術者が存在し、他産地に見られぬ特色となっている。さらに、それらの技術は漉く紙質に応じた数多くの種類があり、高度の水準を有している。しかも、その用具の供給先は、高知県内にとどまらず、広く全国の手漉和紙の業者にわたっている。
これらの貴重な技術者は、現在、高知に十四名存在しているが、いずれも高齢で、かつ、全国でただ一人の存在となっている者も多い。