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川端龍子(1885−1966)
KAWABATA,Ryushi
盗心
1923(大正12)年
絹本墨画・軸装 82.6×113.2㎝
第10回院展(鈴木光氏寄贈)
「盗心」は、盗みを欲する気持。誰にでも無いはずがない、悪への誘惑、悪の本能を充足する快楽。人間に潜在している悪への関心を表現したのが、本図。盗心を敢行した、少年の面映さ、ゆらめき。刻は、薄明り(かすかな明るさ)。日の出前か、日没後か。盗んだ物(トウモロコシ)は、朝食のためか、タ食のためか。少年の、切羽詰った盗心の実現への、龍子の寛容の描出だろうか。赤裸々な人間本能の悪は、他人事では済まされない。自分も、例外ではないのだ、との龍子の切羽詰った本心、か。