野原蒔絵小箱

工芸品 漆工

  • 田口善国  (1923-1998)
  • タグチ、ヨシクニ
  • 昭和43年 / 1968
  • 漆、蒔絵、螺鈿・箱・1
  • h14.0 w10.4 d23.7
  • 第15回日本伝統工芸展 日本橋三越本店 1968

田口善国 1923-1998

野原蒔絵小箱(のはらまきえこばこ)

漆/蒔絵
H.14, W.10.4, D.23.7cm 1968年

TAGUCHI Yoshikuni
Small box, grassland design, maki-e
lacquer / maki-e

印籠蓋造り、長方形の小箱の蓋面及び二つの長側面の金地に、銀平文を点々と置き野原で風に揺れる薄を表す。残りの短側面には青貝(あおがい)(鮑(あわび))をほぼ正方形に切った細片を敷き詰め(螺鈿(らでん))、その中にバッタを各四匹、黒漆の高上げにする。薄(すすき)の穂をとらえる高い目線と、地表近くに潜む虫たちへの目線が一つの箱のなかで交差している。
田口善国は、漆芸家の松田権六に師事した。1960年代には大規模な国宝の修理復元で師の片腕となって活躍する。そこで古い建物や作品に使用された螺鈿や高蒔絵(たかまきえ)など各種の蒔絵技法を子細に観察するが、田口の場合それらを直截に自己の創作へと反映させるのではなく、そこから学んだものを常に現代の感覚のフィルター(田口の言葉でいえば「流行」)にとおして表現する。中尊寺金色堂の修復からヒントを得た螺鈿はこの作品で、中心となるモチーフではなく、地の部分にあえて用いられている。それがかえってモチーフを効果的に浮かびあがらせている。


1923年 東京麻布生まれ
1939年 蒔絵を松田権六に、日本画を奥村土牛に、美術史を吉野富雄に学ぶ
1946年 第2回日展出品(初入選)
1960年 国宝日光東照宮拝殿蒔絵大扉復元制作に参加
1982年 東京藝術大学美術学部漆芸科教授となる

野原蒔絵小箱

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