ENTRANCE(A)

絵画 油彩画

  • 猪熊弦一郎  (1902-1993)
  • イノクマ、ゲンイチロウ
  • 昭和39年 / 1964
  • 油彩・キャンバス・額・1面
  • 198.0×178.0
  • 右下に署名
  • 6回現代日本美術展 東京都美術館 1964

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ENTRANCE(A)
ENTRANCE (A)
1964(昭和39)年
油彩、麻布 198×178㎝
oil on canvas
第6回現代日本美術展(国立近代美術館賞)
猪熊弦一郎は、新制作派協会の結成にかかわったりしたあと、戦前のヨーロッパに滞在し、マチスやピカソの影響を受けながら、清新な近代感覚あふれる絵を制作した。戦後もその延長線上に画風を発展させ、猫の登場する一連の絵を描いた。その彼が、ヨーロッパに向かう途中、立ち寄ったニューヨークの街が気にいって、そこに住むことになったのは、1955年、53歳の時のことである。その年齢でニューヨークの、日本と違った厳しさを愛し、新しく、具象から抽象への探求に踏み切ったことに、開拓者のような精神の強さ、生涯を貫く少年のような純な物の見方、ストレートな感性がうかがえる。
縦と横の線からなる幾何学的な街ニューヨークは巨大で、一つの字宙のように、この画家を魅了した。個人主義に徹した巨大な国際都市ニューヨークを歩き、眺め、感じ、心に映るものを表現しようと、激しい競争社会のただなかで、秩序と混乱のうずまきや生の激しさにぶつかり、自己の限界をつきつめて感傷を排した新しい画面の構成を模得した。丸や四角やさまざまの入り組んだ地図のような、白地に紺で描かれた筆触の生きる〈エントランス(A)〉。1960年代の国際的に抽象表現の高楊した時代で、猪熊の活躍も内外にわたって活発な時の作品である。

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