53
熊谷守一
KUMAGAI, Morikazu
1880−1977
畳の裸婦
Nude on tatami
1964年
油彩・キャンヴァス
39.5×52cm
東京国立近代美術館所蔵
岐阜県に生まれる。1900年東京美術学校西洋画科に入学,黒田清輝,藤島武二の教えを受けた。同級生に青木繁,和田三造,山下新太郎らがいた。1904年東京美術学校を卒業後樺太調査隊に参加,190咋まで船で北海の島々を旅行し、各地の風光地形や海産物を記録する仕事に従事した。1908年第2回文展に〈肖像〉が入選,翌1909年第3回文展の〈蝋燭(ローソク)〉で褒状を受けた。しかし1910年母の死を機に帰郷し,そのまま5年間岐阜にとどまり,このころ伐採した材木を川に浮かべて運ぷヒョウ(日傭人夫)となって働いた。1915年再び上京して画家の生活にもどり,二科会に出品して1916年会員に推された。その後1942年まで二科展に毎年出品をつづけたが,戦後の1947年第二紀会の結成に加わり,同会会員となった。1930年代後半から,色面を強調した描写を試みたが,しだいに陰影や奥行きを感じさせない平塗りの表現へ移り,戦後はそのうちに東洋的な神秘感をただよわせる独自の画風を確立した。〈畳の裸婦〉は小品の多いこの画家の作品の中では大作に属するもので,色面を主体とする装飾的な構成は不思議な魅力をもっている。