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GOLD, SILVER AND GOLD
Gold, Silver and Gold
1975年
アクリル・綿布 122.0×108.0cm
「芸術家の着想も思想も意昧も、人間性さえも、私の作品には全く入ってこない。芸術そのものがあるだけだ。それが全てである。」とかつて桑山は語った。そしてその言葉通り、過剰な質感や筆触といったあらゆる「夾雑物」を作品から排除しようと彼は試みてきた。この作品は、そのようないかにもアメリカ的な切り詰め作業の果ての、極北のようなところにある。制作における偶発的要素を取り去り、作品の成立を完全に統制しようという厳格さへの志向が、見る者にある新鮮な緊張を引き起こす。けれどもその一方で、このような作品が自らを極めて危険な立場に追い込んでしまうということも否定できない。ぜい肉を削(そ)ぎ落とし削ぎ落し、「絵画の本質」へ迫ろうという努力が行き着くのは、逆に絵画自体の存立までもが揺るがされかねないような領域なのだ。例えば、できる限り均一に画面を塗ろうとすることで、結果的には、大量生産の工業製品のような作品が生み出され、実際その両者の違いは必ずしも判然としないのだ。作品成立の基盤が、作品そのものによってぼやかされてしまう。この袋小路から絵画を救い出すためには、一方では展示空間、あるいは展示という行為自体をより意識的に問題化する必要があり、他方では、桑山の各作品を常に彼の全作品の展開との関連のうちで見ること、更には、絵画一般の歴史のうちに位置づけてみることが不可欠になってくるのである。