16 住谷磐根(1902−1997) 作品 1924年
群馬県生まれ。1921年日本水彩画会展に入選後、上京、川端美術学校で油絵を学ぶ。23年二科展に入選するも、直後に自ら作品を撤去し、前衛美術グループ〈マヴォ〉による反二科の示威行動に参加。〈三科〉でも活動した。
23年、ベルリンから帰国した〈マヴォ〉の中心メンバー村山知義が、神田の文房堂で個展を開く。住谷は会場に並ぶ村山の「奥深い空間の中に魔的な形状の乱舞でありとあらゆる型が組み合され」た「意識的構成主義」の作品に強い衝撃を受けた。この≪作品≫も村山の影響をうかがわせるもので、厳格な秩序による構成というより、むしろ多様な要素がアサンブラージュ的に混在している。パイプ管や金属製のフレームのようなモチーフが複雑に重なり合う一方、左下には繊維を混ぜた赤い絵具で、他とは異質な有機的形象が描かれる。そこには震災後の復興を時代背景とした、大正期の新興美術運動に特有の「都市」や「機械」といったテーマが見て取れる。