12点セットで伝わる栓付薬瓶。外へ持ち出すのに便利な革貼りの蓋付箱に納まっている。1㎝にも満たない栓の摘まみや身の八角形の首には、縁や角などが丁寧に研磨されている。各面を傾けて、光にあてると身も同様に研磨痕を確認できる。栓と身の首にみられる擦りガラス状になっている箇所は、擦り合わせによって抜き差しの具合を調整したのであろう。愛らしい品ながらも、時間と労力を要する作業が行われていたと推測される。江戸の硝子問屋である加賀屋久兵衛の引札には「薬篭瓶」として、本資料と同様の薬瓶を確認できる。
【びいどろ・ぎやまん・ガラス】