氷見地域では平底(一枚棚構造)の和船をカンコと呼ぶ。大小さまざまな大きさがあり、漁船としては、小型定置網漁や沿岸の地曳網漁、刺網漁、釣漁、磯見漁等に幅広く用いられた。特に地曳網漁では、平底のカンコは浜に曳きあげやすく重宝された。蔵町カンコと呼ばれた大型でエンジンを積んだカンコ型動力船は、能登通いの荷船や、定置網の網錘に用いる砂利の運搬船として活躍した。
このカンコは地曳網漁に使用された大型のもの。保存状態が悪かったため、状態のよい船首部を切断し、修繕・補強をほどこしたうえで他の部材とともに保存した。
船首側の舷側板と船底板の接合方法がモタセ造りとなっている点が他の船大工が建造したカンコと異なる。