1930年代後半から1940年代前半にかけて、三岸節子はフランスの画家、マティスやボナールを思わせる色彩豊かで装飾的な室内画の制作に取り組む。室内画の多くは、果物や花瓶、テーブル、椅子などの静物を描いたものだが、部屋の中でくつろぐ人物の姿を描いたものもある。
本作品では、青々と生い茂るような植物に囲まれ、暖色系でまとめられた机上の果物とともに、正面を向いて座る女性が描かれている。左手前にあるのは、たびたび作者の静物画に登場するアンダーソンの壺であろうか、丸みを帯びたフォルムや特徴のある模様が見て取れる。