氷見地域では平底(一枚棚構造)の和船をカンコと呼ぶ。漁船としては、小型定置網漁や沿岸の地曳網漁、刺網漁、釣漁、磯見漁等に幅広く用いられた。特に地曳網漁では、平底のカンコは浜に曳きあげやすく重宝された。蔵町カンコと呼ばれた大型でエンジンを積んだカンコ型動力船は、能登通いの荷船や、定置網の網錘に用いる砂利の運搬船として活躍した。
このカンコは、昭和10年(1935)、ドブネの端材を利用して建造されたと伝わるもので、氷見のカンコとしては中型のサイズである。船首の内側に昭和10年7月に建造されたことを記した船札が存在する。