絵画 日本画

  • 高山辰雄  (1912-)
  • タカヤマ、タツオ
  • 昭和39年 / 1964
  • 彩色・紙本・額・1面
  • 181.5×172.0
  • 7回新日展 東京都美術館 1964

7

Heaven
1964年
紙本彩色
181.5×172.0cm
1964年第7回日展
高山辰雄は戦前、戦後を通じて、日本画の革新を目指して新しい道を切り開いてきたが、それはただテクニックやスタイルの新奇さを迫おうとしているのでは決してなかった。時代の流れの中でその画風が様々に変化して行くのは当然のこととして、一貫してこの画家が示しているのは、どのような場合でも常に根元的ななにものかに眼をむけながら、その鋭敏な感覚でとらえたものを見る人に伝えようとする姿勢であろう。《穹》とは広く張った大空の意で、夜の田園風景であろうか。月が一際輝く下で、木立に囲まれた一角だけが明るく浮かび上がった光景はひどく異様に感じられる。「わたしの夜空。ありえない世界かもしれませんが、それをありうる世界として描きたい」と語っているように、単なる写生とは異なる画家の心象風景である。一見幻想的な風景のようにも思えるが、もっと奥の深いところで画家がその心の眼を通してみた「わたしだけが感じ取った世界」であるだけに、それ以上のある確かさと強さをもって見るものに訴えかけてくる。

穹

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