刈田

絵画 日本画

  • 徳岡神泉  (1896-1972)
  • トクオカ、シンセン
  • 昭和35年 / 1960
  • 彩色・紙本・額・1面
  • 142.0×114.5
  • 3回新日展 東京都美術館 1960

3
刈田
Harvested Rice Field
1960年
紙本彩色
141.7×114.5cm
1960年 第3回新日展
この作品は、前の年の晩秋にふと目にした光景に基づいて描かれた。その時の様子を神泉は次のように語っている。「地平線近い落日が刈田一面に映じ、とても美しく感じたのです。稲株は思いの外整然と並んでしかも微妙なリズムをもち、水面は空の紺青が影を落して、余光というか幽かな変化をみせていました」。そして翌年ふと思い出して描きたくなり、丹波の方まで写生をしに行き制作したという。
しかしながら完成作だけを見る時、そこには地平線や落日といった空間・時間を説明する要素は一切描かれていない。画面の青が空を映した水面である必要も、もはやない。大正期には緻密な写実表現も試みた神泉は、戦後は単純なモチーフによって画面を構成するようになる。それはやがて非常に内省的な作風となってゆくが、《刈田》には、《赤松》(1947年)と同じく、戦後の神泉の秘めていたもう一つの可能性―純粋に視覚的な形態(フォルム)を迫求すること―をみることができるだろう。

刈田

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