笙「白菊」

しょう しらぎく

概要

笙「白菊」

しょう しらぎく

全長50cm

千代田区隼町4-1 国立劇場

登録番号889
紀州徳川家伝来雅楽器
解説:日高薫(国立歴史民俗博物館教授)

独立行政法人日本芸術文化振興会

笙は、雅楽の管絃において、唯一、和音を奏でることのできる楽器で、メロディを包み込み、厚みや広がりをもたらす役割を果たす。匏(ほう・ふくべ・頭)の上面に、簧(した・リード)を付けた長短の竹管を差し込み、吹口から息を吹いたり吸ったりすることによって音を出す。その姿を鳳凰に見立てて「鳳笙」とも呼ばれる。
幾度かの修理の手を経た古管であり、竹管の内側には「嘉元三年(1305)乙巳十月之を造る」との銘を有する。匏の表面には梨子地に金高蒔絵で全体に菊花文、吹口側面には花唐草状の文様が表されるが、長年の使用によって摩滅している。上面に「白菊」の文字を蒔絵した替匏は後世に付加されたものであろう。
儒学者林信允(はやしのぶみつ・1681-1758)が、江戸在住の所蔵者・大神(おおが)勝久に依頼されて寛延3年(1750)8月に記した「白菊笙記」によれば、この笙は足利尊氏所用と伝えられ、雅楽、とりわけ笙の演奏を家業とする当家(大神姓中氏・おおがせいなかうじ)に代々伝来したものという。松平定信編纂『集古十種』「楽器部」には「中氏蔵笙図」として掲載されているが、文化14年(1817)9月付の神田大和掾定幸による鑑定書が附属することから、この頃に徳川治宝(とくがわはるとみ・1771-1853)が中氏より入手したものと推測される。

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