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青鸞
Great Argus Pheasant
1938年
紙本彩色・屏風(2曲1隻) 151.2×165.2cm
小杉放庵が本格的に日本画を描くようになったのは、自ら語るように渡欧して以後のことである。初期の作品は《列仙屏風》(1915年)、《楽人と踊子》(1921年頃)のように、どちらかといえば色面が強謂されたもので、いまだ洋画的な臭いが残っていると同時に、大正期の日本画の動きにかなり影響を受けたと思われるものが多い。いわゆる放庵の日本画といえば、やはり昭和の時代にはいって以降の水墨の世界に深く馴染(なじ)むようになってからのことであろう。放庵紙とまでいわれる麻紙の上に、穂先が長くて、柔らかく、腰の強い長毛筆を駆使した花鳥画や人物画の数々に、その本領をみてとることができる。この作品は1938年の第2回墨人会に出品されたもので、現在は《椿》(cat.no.25)とあわせて一双屏風に仕立てられている。画面中央に太い石榴(ざくろ)の幹と青鸞を配した大胆な構図、墨調の微妙なニュアンスと落ち着きのある澄んだ彩色、さらには細部にわたる緻密な描写は、地の紙の肌合とあいまって独特の味わいをつくり出している。放庵の日本画の典型的なスタイルを示す作品といえよう(鸞は想像上の鳥の名、鳳鳳の一種)。