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Work Eー250
Work E-250
1986年
油彩・麻布 194.0×486.0㎝(3面)
《Work Eー250》の「E」は1980年代を意味するから、「これは''80年代の250番目に描かれた」というタイトルなのである。この題名法が示唆するように、ここでは普通の意味での一点の作品という概念は適用されにくく、山田の絵画にはそれ以前の彼の全ての絵画が不可欠の前提として介在していると言える。描いてきた絵画の集積のみが、山田の唯一の作品《Work》なのである。60年代から70年代にかけての彼の絵画は、他ならぬカンヴアスの枠組みによって示される絵画の基本、つまり水平線と垂直線のみをその要素として用い、ストライプや十字形といった単純かつ厳格な組織法に基づいて展開した。80年代になると、それ以前の抑制が徐々に緩和され、ここに見られるように斜めの方向の絵筆のストロークが明確にあらわれ、多様な色彩がふんだんに用いられはじめる。それと同時に、画面サイズが著しく大型化し、70年代までには2mを越えることはまずなかったのが、80年代には4mを越すことも珍しくなくなる。《Work》のこういった変化は、常に局到な計画性の下、段階を踏んで実現されており、一時的なひらめきや、他者からの表面的な影響といった要素の表出する余地は、ここには全くないと言える。《Work》の80年代に現れはじめた一見「表現主義的」な様相も、時代の流行といった観点からよりもむしろ、《Work》という一個の有機体の自己増殖の過程としてみられるべきものであろう。